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Archive for 2010年12月

最初は鎌倉図書館で借りた古いペーパーバックで読み始めたが、分からない英単語が多いために、100ページ程度で断念。続いて、kindleにダウンロードしてビルトインされた英英辞典の助けを借りながら再挑戦すると、すいすいと読むことができた。この作品の概要は以下のとおり。もともと双子で生まれてくるはずだった主人公のThad Beaumontは母親の胎内で兄弟から栄養を奪い取りことで駆逐し、単一の赤ちゃんとして生を受けた。しかし、11歳の時、胎内で死んだはずの兄弟が、Thadの脳内で突如成長し、Thadはひどい偏頭痛に悩ませることになった。とうとう我慢できず専門医に診てもらったところ脳腫瘍という診断で、早速を除去手術を受けた。ところが、取り除いた腫瘍には人の目玉や歯があり、執刀医は衝撃を受けたが、脳内に双子が成長していた事実をThadや彼の両親には話さずにおいた。時は過ぎさり、Thadは作家兼大学教官となり、美しい妻Lizと双子の乳児WilliamとMaryと幸福な家庭を築いていた。作家として二作を発表し、デビュー作”The Sudden Dancers”は権威あるNational Book Awardにノミネートされるなど批評家からは高い評価を受けたが、両作と商業的に成功しなかった。そしてすぐにwriter’s block(作家のスランプ)にかかり作品が出せなくなった。スランプ脱出の一助として、ThadはGeorge Starkという別名を使って、冷血殺人鬼Alexis  Machineを主人公としたスリラー小説”Machine’s Way”を執筆・出版したところ、これが大ベストセラーになり、Machineシリーズの続編三篇もそこそこ売れ、George Starkは有名作家となり、Thadは印税でずいぶんと潤った。しかし、彼はGeorge Starkとして執筆している時はタイプライターを使わずに鉛筆を使って紙にじか書きし、また精神状態も不安定に陥っていた。この事をひどく心配した妻Lizは夫のThadにGeorge Starkとして執筆することを断念するように説得し、熱心なファンにThadとGeorge Starkが同時人物であることを見抜かれ脅迫を受けたことが切っ掛けで、タブロイド紙Peopleで、同一人物であることを公表し、同時にGeorge Starkは断筆を発表することにした。出版代理人とPeople紙に雇われたカメラマンの企画で、わざわざGeorge Starkの墓を用意し、その前でThadとLizを撮影し、掲載した。これでGeorge Starkと永遠に決別した筈なのだが、実はこれを契機にGeorge Starkがその作品の主人公Machineのような超冷血殺人鬼として、この世に登場したのである。ThadはGeorge Starkとして執筆中、胎内と11歳の時に除去した筈の双子の兄弟と精神的に接触し、協働作業で行っていたのである。George Starkはこの墓にかかわった墓守を殺害した。現場に残された指紋がThadと同一なものであるのでThadが容疑者として疑われ、墓のあるメイン州のリゾートタウンのCastle Rockの警察署長Alan PangbornはThadを逮捕するためにThadをメィン州Ludlow自宅まで訪ねるが、本人と直接あって見て、彼がとても殺人鬼であるとは信じ難く、Thadの話に率直に耳を傾けた。Thadの予言どおりにGeorge Starkはニューヨークに向かい、NYPDが厳重に警戒していたにも拘わらず、People紙での取材にかかわった代理人、その部下、カメランが次々と冷酷な手口で殺害されていく。警察が録音機をThadの自宅に据え付けると、すぐにGeorge Starkから電話がかかってきた。Thadとの会話を警察が分析したところ、なんと二人の声紋が完全に一致した。それでも警察署長のAlanはGeorge Starkの存在を信じられず、会話はもともとThadが録音をしておき、それを第三者を使って、わざわざ警察がいる時に掛けさせたとまで仮説をうちたてた。ThadとGeorge Starkは精神を共有しているため、各々が見るもの、各々が考えることがお互いに分かってしまっている。このまま行くとGeorge StarkがThadの心を占拠し、Thadがこの世から駆逐される危険にさらされていた。そして冷血怪物George StarkはThadが外出している間にLudlowの自宅にやってきて警戒していた警官二人を楽々と残忍に殺害し、Lizと双子の乳児を誘拐し、Castle RockがあるThadの別荘に向かった。Thadは警護している警察をまき、同僚の大学教官から車を借りてCastle Rockに向かった。警察署長のAlanは盗難車情報を受け、その車がGeorge Starkの故郷であるミシシッピのナンバープレートであったため、もしやGeorge Starkかと考え、Thadの別荘に近づいたが、まんまとGeorge Starkに捕まえられ、Lizらとともに人質として別荘内に監禁された。別荘には無数の雀が集結し、屋根や車寄せを覆うってしまうが、George Starkは全く気がつかない。そしてついにThadが別荘にやってきた。既にGeorge Starkとはテレパシーを通じて同意が出来ていたようで、二階の書斎で二人で新作の執筆を取りかかり始めた。その間にも雀は続々とやってきて、おそらく十億羽を越える規模となり、LizとAlanが詰めていた別荘の一階も雀でぎっしりと占拠されてしまった。書斎の中では執筆に夢中になっているGeorge Starkの一瞬のすきに鳥笛を吹いた。これを合図に雀達はGeorge Starkに襲いかかり、既に腐り始めた肉体を食いちぎり、ついにはGeorge Starkの肉体を空中に持ち上げ、彼方に連れ去ってしまった。

以上が、Stephen Kingらしい、恐怖と奇怪に満ち溢れたプロットである。”The Dead Zone”の上院議員Greg Stillsonといい、”Misery”の看護師Annie Wilkesといい、この作品のGeroge Starkという、Stephen Kingは超冷血殺人鬼を創作させれば天下一品である。俊敏、不死身のGeorge Starkなんか絶対死ぬわけないと思っていたが、作品前半からThe Sparrows are flying という意味不明なメッセージがたびたび登場していたのだが、まさかSparrowsがGeorge Starkを成敗してくれるとは想ong像だにしなかった。もしAlan Panbornという、プロフェッショナル意識が強いが人情味が溢れる警察署長が現われなかったら、この作品はただ恐ろしいだけだったかもしれないが、そこはStephen King、追い込まれた主人公には必ず人格の高い理解者を用意している。おもしろかった、でももう少し短くてもよかったのでは。この作品だけでなくStephen Kingの作品は、やはり長すぎる。
The Dark Half (Signet)
The Dark Half (Signet)

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