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Posts Tagged ‘Stephen King’

amazon.co.jp のStephen Kingの小説の読者評価ランキングで上から二番目に高かった小説がこの”The Shining”だった。多大な期待を持って読み始めた。読後の感想は「怖かった」と、「英語が難しかった」のふたこと。恐怖はKingの小説の真骨頂。コロラド州の人里はなれた山間地にある格式ある古いホテルに、豪雪で閉鎖される冬季の管理人としてヴァーモント州から住み込んだ親子三人を、呪われたホテルが様々な亡霊たちを使って殺そうとする。最後の最後まで身の毛が弥立つシーンの連続で、何度かページをめくるのを躊躇させられたぐらいだった。英語に関しては、一般的にStephen Kingの小説を原文で読むのは難しいが、特にこの小説は読みづらかった。ホテルの中の様々な施設で奇妙な現象が次々と起こるのであるが、知らない単語が多かったし、King独特の動作の記述がやはり出てきて、正直半分ぐらいしか何が起こっているかを正確に理解できなかった。ボリューム満載な小説なので毎回立ち止まって入念に調査していると小説の流れが切れるので、不明な点をかまわずに読み進めてしまった。このような事情があり、私の読後の評価は、amazon.co.jpに寄せられていた高評価ほど高くない。私一押しのKingの代表作”The Dead Zone”よりは絶対に劣るし、英語的には”Misery”が同様に難解だったが、この小説は”Misery”ほどの質の高さはなかったと思った。”The Dark Half”とはどうだろう。表面的には全く異なる題材を扱う小説だが、”The Dark Half”と”The Shining”は共通点が多いと私は感じた。モンスターである主人公の双子の弟が盗難車でニューイングランド、ニューヨークを移動する前者の方が、雪で閉じ込められたコロラドのホテルの中で親子三人と亡霊達だけで展開される後者よりも、退屈しなかったことは確かだ。

収穫は、題材は異なってもStephen Kingの小説に出てくるキャラクターには定番があるなと、この小説で確信したことだ。大学か高校で教鞭をとりながら小説を書いている30-40代のニューイングランドに住む男性(King自身の投影)。足が綺麗で性的な魅力溢れる妻(Kingの最愛の妻Tabbyの投影)、そして命を厭わず主人公家族を助力する重用な脇役男性(小説によって大きく異なる。The Shiningでは黒人コック)。”The Shining”では、これらの定番に加えて、若夫婦の6歳の息子が主人公の位置をしめた。Shiningとは、霊感によって、近未来に起こる不幸を予期できる能力。主人公の息子がShiningを持っており、それゆえに古いホテルに住み着いた亡霊や奇怪な現象がどんどん見えてしまい、恐怖に怯える。しかも霊感が強いことをホテル(ホテル自体が化物)が脅威に感じ、ホテルの方が両親だけでなく、特にこの息子を抹殺しなければならないと感じていた。冬が深まり雪で完全に外界から隔離されてしまうと、亡霊たちが夜通しでパーティーを開いたり好き放題を始めた。父親はホテルに魂を乗っ取られ、妻と息子の殺害を試みる。そんな恐ろしい話なのである。最後はなんとかハッピーエンドなのであるが、本当に紙一重の差だった。この小説を読んでしまうと、怖がりの人は古いホテルを今後敬遠してしまうかもしれない。
The Shining
The Shining

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最初は鎌倉図書館で借りた古いペーパーバックで読み始めたが、分からない英単語が多いために、100ページ程度で断念。続いて、kindleにダウンロードしてビルトインされた英英辞典の助けを借りながら再挑戦すると、すいすいと読むことができた。この作品の概要は以下のとおり。もともと双子で生まれてくるはずだった主人公のThad Beaumontは母親の胎内で兄弟から栄養を奪い取りことで駆逐し、単一の赤ちゃんとして生を受けた。しかし、11歳の時、胎内で死んだはずの兄弟が、Thadの脳内で突如成長し、Thadはひどい偏頭痛に悩ませることになった。とうとう我慢できず専門医に診てもらったところ脳腫瘍という診断で、早速を除去手術を受けた。ところが、取り除いた腫瘍には人の目玉や歯があり、執刀医は衝撃を受けたが、脳内に双子が成長していた事実をThadや彼の両親には話さずにおいた。時は過ぎさり、Thadは作家兼大学教官となり、美しい妻Lizと双子の乳児WilliamとMaryと幸福な家庭を築いていた。作家として二作を発表し、デビュー作”The Sudden Dancers”は権威あるNational Book Awardにノミネートされるなど批評家からは高い評価を受けたが、両作と商業的に成功しなかった。そしてすぐにwriter’s block(作家のスランプ)にかかり作品が出せなくなった。スランプ脱出の一助として、ThadはGeorge Starkという別名を使って、冷血殺人鬼Alexis  Machineを主人公としたスリラー小説”Machine’s Way”を執筆・出版したところ、これが大ベストセラーになり、Machineシリーズの続編三篇もそこそこ売れ、George Starkは有名作家となり、Thadは印税でずいぶんと潤った。しかし、彼はGeorge Starkとして執筆している時はタイプライターを使わずに鉛筆を使って紙にじか書きし、また精神状態も不安定に陥っていた。この事をひどく心配した妻Lizは夫のThadにGeorge Starkとして執筆することを断念するように説得し、熱心なファンにThadとGeorge Starkが同時人物であることを見抜かれ脅迫を受けたことが切っ掛けで、タブロイド紙Peopleで、同一人物であることを公表し、同時にGeorge Starkは断筆を発表することにした。出版代理人とPeople紙に雇われたカメラマンの企画で、わざわざGeorge Starkの墓を用意し、その前でThadとLizを撮影し、掲載した。これでGeorge Starkと永遠に決別した筈なのだが、実はこれを契機にGeorge Starkがその作品の主人公Machineのような超冷血殺人鬼として、この世に登場したのである。ThadはGeorge Starkとして執筆中、胎内と11歳の時に除去した筈の双子の兄弟と精神的に接触し、協働作業で行っていたのである。George Starkはこの墓にかかわった墓守を殺害した。現場に残された指紋がThadと同一なものであるのでThadが容疑者として疑われ、墓のあるメイン州のリゾートタウンのCastle Rockの警察署長Alan PangbornはThadを逮捕するためにThadをメィン州Ludlow自宅まで訪ねるが、本人と直接あって見て、彼がとても殺人鬼であるとは信じ難く、Thadの話に率直に耳を傾けた。Thadの予言どおりにGeorge Starkはニューヨークに向かい、NYPDが厳重に警戒していたにも拘わらず、People紙での取材にかかわった代理人、その部下、カメランが次々と冷酷な手口で殺害されていく。警察が録音機をThadの自宅に据え付けると、すぐにGeorge Starkから電話がかかってきた。Thadとの会話を警察が分析したところ、なんと二人の声紋が完全に一致した。それでも警察署長のAlanはGeorge Starkの存在を信じられず、会話はもともとThadが録音をしておき、それを第三者を使って、わざわざ警察がいる時に掛けさせたとまで仮説をうちたてた。ThadとGeorge Starkは精神を共有しているため、各々が見るもの、各々が考えることがお互いに分かってしまっている。このまま行くとGeorge StarkがThadの心を占拠し、Thadがこの世から駆逐される危険にさらされていた。そして冷血怪物George StarkはThadが外出している間にLudlowの自宅にやってきて警戒していた警官二人を楽々と残忍に殺害し、Lizと双子の乳児を誘拐し、Castle RockがあるThadの別荘に向かった。Thadは警護している警察をまき、同僚の大学教官から車を借りてCastle Rockに向かった。警察署長のAlanは盗難車情報を受け、その車がGeorge Starkの故郷であるミシシッピのナンバープレートであったため、もしやGeorge Starkかと考え、Thadの別荘に近づいたが、まんまとGeorge Starkに捕まえられ、Lizらとともに人質として別荘内に監禁された。別荘には無数の雀が集結し、屋根や車寄せを覆うってしまうが、George Starkは全く気がつかない。そしてついにThadが別荘にやってきた。既にGeorge Starkとはテレパシーを通じて同意が出来ていたようで、二階の書斎で二人で新作の執筆を取りかかり始めた。その間にも雀は続々とやってきて、おそらく十億羽を越える規模となり、LizとAlanが詰めていた別荘の一階も雀でぎっしりと占拠されてしまった。書斎の中では執筆に夢中になっているGeorge Starkの一瞬のすきに鳥笛を吹いた。これを合図に雀達はGeorge Starkに襲いかかり、既に腐り始めた肉体を食いちぎり、ついにはGeorge Starkの肉体を空中に持ち上げ、彼方に連れ去ってしまった。

以上が、Stephen Kingらしい、恐怖と奇怪に満ち溢れたプロットである。”The Dead Zone”の上院議員Greg Stillsonといい、”Misery”の看護師Annie Wilkesといい、この作品のGeroge Starkという、Stephen Kingは超冷血殺人鬼を創作させれば天下一品である。俊敏、不死身のGeorge Starkなんか絶対死ぬわけないと思っていたが、作品前半からThe Sparrows are flying という意味不明なメッセージがたびたび登場していたのだが、まさかSparrowsがGeorge Starkを成敗してくれるとは想ong像だにしなかった。もしAlan Panbornという、プロフェッショナル意識が強いが人情味が溢れる警察署長が現われなかったら、この作品はただ恐ろしいだけだったかもしれないが、そこはStephen King、追い込まれた主人公には必ず人格の高い理解者を用意している。おもしろかった、でももう少し短くてもよかったのでは。この作品だけでなくStephen Kingの作品は、やはり長すぎる。
The Dark Half (Signet)
The Dark Half (Signet)

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